実践パーマカルチャーおすすめ度
★★★★★
「パーマカルチャー」という言葉が独り歩きしている現代、自らパーマカルチャーの実践を通じて、やさしく、そして時には自戒の念もこめて批判、提案している本書は、パーマカルチャー入門書にふさわしい。
パーマカルチャーの提唱者、ビル・モリソンやデビット・ホルムグレンの原著をいきなり読むよりは、本書のインタビューを通じた彼らの人間性や根本にある考え方を汲み取るほうが初心者(?)には受け入れやすいようにも思う。
ここオーストラリアで暮らしていると、都会でもパーマカルチャーの思想が色濃く反映されていることが実感できる。「不耕起栽培」も極普通のこととして裏庭で行われているし、太陽熱利用や雨水利用も極一般的である。
現代の科学技術を完全否定することなく、より啓発された市民として持続可能社会を模索する著者の姿には結構感動してしまう。
パーマカルチャーの歩き方おすすめ度
★★★★☆
リック・タナカは、旅行ガイドブック「地球の歩き方」シリーズ、オーストラリア編(1990年代版)の著者だ。私は個人旅行で「歩き方」を鞄に入れ旅を供にした。パッケージツアーでは決して得られない、己で道を選ぶ旅人の考え方を伝授してくれたように思う。
ユーモア溢れる「オーストラリア楽農パラダイス」は、都会生活者の著者が居を山へ移し、庭を自然菜園に変え、理想郷を求めて試行錯誤するさまを綴ったエッセイ。ここでも、自分の意志で人生や環境をデザインする仕方を教えてくれる。デビット・ホルムグレンのインタビューも掲載したパーマカルチャーの入門書。
概要
消費をおさえ、生産する生活、自給暮らし。地球にやさしいエネルギー効率のよい生き方、賢い生活者をめざしたパーマカルチャーに目覚めた著者が、オーストラリアでその創始者、実践家にインタビューしながら、その問題点も含めて考えた、新しい楽農生活のすすめ。
内容(「MARC」データベースより)
消費をおさえ、生産する生活、自給暮らし。地球にやさしいエネルギー効率のよい生き方をめざしたパーマカルチャーに目覚めた著者。その創始者、実践家にインタビューしながら、問題点も含めて考えた新しい楽農生活のすすめ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
タナカ,リック
信州松本出身。1980年、シドニーに漂着。大学中退後、ラジオやテレビ、ウエッブ、雑誌、ニューズレターなどのメディアや翻訳/通訳、音楽マネージメントなどで活動。1997年にシドニー郊外、標高1000メートルの高原の町カトゥーンバに引っ越し、積極的な収入減をともなう楽農生活に突入する。現在は地元の生協で店番をするかたわら、次なる逃走・闘争の場を構想中