旅人ブルース・チャトウィンが触れたオーストラリアおすすめ度
★★★★☆
「僕の神様は歩く人の神様なんです」――世界中を歩き回った旅人ブルース・チャトウィンが、オーストラリアを旅したときの旅行記だ。先住民アボリジニはオーストラリア中に貼りめぐらされる「道」を、すべて「歌」にして記憶している。ブルースはアボリジニに伝わる「ソングライン」を自分の目で確かめるためにオーストラリアの地を踏んだ。
この作品はチャトウィンの晩年に書かれたもの。本書の後半、チャトウィンはいままでノートに綴った旅先での膨大なメモを書き起こしている。自ら振りかえるのが目的かのように。自分の死期が迫っていることに気づいたチャトウィンが、人が旅をするのはなぜかという根源的な疑問に答を出そうともがいているかのようで、なにか物悲しくもなってくる。
最後のシー!!ンもまた圧巻だ。
概要
「ソングライン」とは、アボリジニの先祖の足跡を辿るルート・マップであり、天地創造の神話であり、法の道であり、情報としての財産でもある。それを歌いつつさすらうことで、彼らは今も、先祖が創造した世界を再創造している。5万年の歴史に培われた特異な文化へのロマンの旅。
内容(「MARC」データベースより)
「歌の道」とは、アボリジニの先祖の足跡を辿るルート・マップであり、天地創造の神話である。遠い叫びに惹かれるようにしてチャトウィンはその道を辿っていった。特異な文化への旅を綴ったロマン。