ハワイに行きたくなりましたおすすめ度
★★★★☆
この本を手にとったのは、通っているスポーツジムで「フラダンス」のプログラムに参加したからだ。
著者も言っているように「フラダンス」は本当にハード。ダイエットには最適!
(でもこの本を読んだあとはダイエット目的にフラを踊ったことをちょっと申し訳ないと思ってしまった。)
初めて知ることばかりだった。「フラ」の意味、歴史…本当に奥が深い。
私にとっての「ハワイ」のイメージは、
リゾート、アロハシャツ、買い物、エステ、フラダンス、芸能人のお正月(笑)…。
そしてそれ程ハワイには興味もなかった。
ハワイは身近なのに、私達はハワイを知らなすぎると思う。
「バカンス」も「ダイエット目的のフラ」も良いと思う。
でもそんな人にこそこの本を読んで欲しい。
ちょっと違った視点から、「ハワイ」「フラ」が楽しめると思う。
サブタイトルは語らないおすすめ度
★★★★★
ちょっとおかしなサブタイトルに惹かれて読んでみた。
しかしやしかし、「フラダンス」と聞いて我々が抱くイメージと
実際の「フラ」がいかにかけ離れているか、フラはハワイの歴史でどのような意味を持つか、
フラの展開に重要な役割を担ったハワイ社会のことなど、
フラに関する広いテーマがどれも非常にわかりやすく解説されている。
その上学術的な視点は失われておらず、フラとハワイのことがとても深く理解できる好著だった(さすが「東大助教授」笑)。
僕は学生のとき文化人類学をほんのちょこっとかじっていたのだけれど、
そのとき勉強したことがここにも通じていてなるほどと思った
――それは、ハワイの「伝統」というものは、決して「純粋なハワイアン」のみが生み出すものではないということだ。
そしてこの本は、「おもしろい」。
それは、ハワイやフラに対する筆者の「愛」からきているのだと思う。
例えば、無名で地味ではあるが、フラを非常に大切に思い、細々とフラ教師を続けてきた女性についての尊敬と共感の語り口。
本書の随所でそのような「愛」をもった語りがみられる。
きっと著者の矢口祐人氏は、本書を書いていたとき楽しくて仕方なかったに違いない。
(本当に彼が「踊って」いたかは別として、)そんな「楽しさ」が読者にも伝染し、
話に惹きこまれ思わず読み通してしまうような「おもしろさ」が、この本にはある。
素敵なハワイ紹介おすすめ度
★★★★★
『素敵なフラスタイル』に連載された、エッセイに書下ろしを加えたもの。
非常に読みやすいソフトな語り口だが、単なる観光地としてのハワイでない、もう一歩踏み込んだ文化への一歩となる本だ。
特に、ナサナエル・エマーソンについての記述は詳しく、興味深い。
是非もっと深く突っ込んだ一冊を期待したく思う。
ハワイアンに心地よい文章ながら安っぽくならず、細かく取材したレポートから、諸々雑感など、作者のハワイへの愛を感じる一作。
概要
フラを創った人物たち、フラの歴史、フラを創る今日のハワイ社会について考える。フラやハワイの神話・歴史、面白話などを収録。フラの専門誌『素敵なフラスタイル』連載のエッセイに、別の場所で発表した2篇を加え修正する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
矢口 祐人
1966年札幌市生まれ。米国ゴーシエン大学卒業、ウィリアム・アンド・メアリ大学大学院修了(Ph.D.)。東京大学大学院総合文化研究科助教授