非常に面白いおすすめ度
★★★★☆
月刊誌「RailMagazine」連載記事の単行本化第1巻、北海道編を収録。廃止された鉄道路線について、資料や更には実際に乗車したことのある先達に取材し、現地廃線跡探訪も加えて、それぞれがその路線の「正史」と呼ぶに足るものにまで纏め上げたという労作。JTBの『ー歩く』シリーズが現地探訪のガイドブック(本作でも参考文献のトップにあるが)に徹しているのに対して、こちらはあくまでその鉄道の歴史を、運行(ダイヤ)と車両をメインとしてまとめたもので、写真こそ多いがむしろ「読み物」「資料」としての性格が大きい。
筆者は取り上げた路線に乗車した経験はないといい、その点「講釈師見てきたような……」(インターネット上に繁殖する「聞いて君」)に陥る可能性もあったろうが、廃線跡との出会いとそれへの思いがこの本(連載)をまとめさせたということから、前著『私鉄廃線25年』などでも見られたように、むしろ「廃線」をキーワードとして自分史をまとめたような気配すら感じられ、イヤミがない。
ただ、全ての記事において廃線跡探訪記を囲み記事扱いにするという思い切った編集もよかったのだが、その中で写真の並びが文章の進行と一致しないなど、折角の大誌面がもったいないことになっている編集(失敗)箇所が散見されたので、満点に☆1つ欠け。
北海道ローカル私鉄探訪おすすめ度
★★★★★
この本のすばらしいところは、今までのローカル私鉄本とは異なり、そのローカル私鉄の歴史から始まり、それを利用する地域とどれだけの関係があったのかを写真を交えながら知ることができる貴重な資料ともいえよう。さらに、懐かしさを思い出させるものとして廃線跡探訪も最近の状況を知るにあたっての資料でもある。特に北海道は、住民の生活に密着した鉄道の歴史が多数存在していた。それを実感させてくれる本である。
概要
約3年の歳月を費やし、北は「羽幌炭礦鉄道」から、南は「鹿児島交通知覧線」まで、約80路線におよぶローカル私鉄廃線跡を訪ね、貴重な写真をはじめ各鉄道の沿革などをまとめた資料集。1では北海道を紹介。