その志を受け継ぎ……おすすめ度
★★★★★
「死して不朽の見込みあらば、いつでも死ぬべし。生きて大業の見込みあらば、いつまでも生くべし」
吉田松陰のこの言葉が読んでいる間、ずっと頭の片隅にありました。
「用兵の妙、神の如し」とうたわれ、初代の司法大臣、そして日本大学(日本法律学校)学祖である山田市之允(顕義)を主人公としたお話です。
吉田松陰、久坂玄瑞、高杉晋作との係わりを軸に、山田市之允の松下村塾入門から箱館戦争までが描かれています。
吉田松陰、松下村塾の門下生達の純粋なまでに国を想う気持ちが、やがて時代を動かす力となっていきます。
それまでに多くの仲間達が志半ばに倒れていきます。しかし、彼らの強い想いはしっかりと受け継がれていきます。吉田松陰の想いは久坂玄瑞に、久坂玄瑞の想いは高杉晋作に、そして彼らの全ての想いを受け継ぎ、市之允は戦いへと赴いていきます。
彼らの国を未来を真剣に想う気持ちに胸が熱くなりました。