美しく激しいバロック音楽とロックの融合美おすすめ度
★★★★★
この作品はそもそも映画のサントラとして製作された。
その意味ではNEW TROLLSの「コンチェルト・グロッソPer1」と同じ性格の作品である。
導入部はミドル・テンポのラテン、タンゴ調によるアコースティック・ピアノで始まり、そこに激しくドラマティックなバロック調弦楽器が絡む。その後第2主題をエレキ・ギターとムーグ・シンセサイザーが奏でバンド本体のアンサンブルがなだれ込んでくる劇的な第1曲となっている。この第1曲だけでも買う価値があり聴く価値があると信ずる。
そして第2曲からはKING CRIMSONとJETHRO TULLを彷彿させるバンドの演奏が続いていく。
そして最終曲の美しさ!!!言葉に変え難い絶美!!!、クラシカルでイタリアン・カンツオーネの伝統を引き継ぐロック・バラード!!!
オザンナのVOCALも叙情的、感動的に歌いあげるイタリアン・プログレッシヴ・ロック至上屈指の名曲である。
第1曲とこの最後の曲が聴きたいがために、私はなんどもこのレコードやCDを買いなおしている。
音質もクリアーになっている。
値段は高いがバロック音楽とKING CRIMSN,JETHRO TULLなどが好きな人が買って大丈夫。
しかし、バロックやカンツオーネ、1970年代のKING CRIMSONなどが苦手な人には勧められない。
値段が高いと言ってもアナログ・レコード時代、1980年代にKINGレコードが発売するまでは中古市場で高額で取引されていた幻の名盤である。
それから比べたらこの価格で紙ジャケットで手に入るというのは幸せというほかはない。
概要
彼らの2ndアルバムは、ニュー・トロルス『コンチェルト・グロッソ』のオーケストラ・アレンジも手がけた、映画音楽家のルイス・エンリケ・バカロフとの共作による映画のサウンド・トラック。
内容(「CDジャーナル」データベースより)
奇抜なメイクや実験的ステージでも知られ、イタリアン・ロック・マニアの間でも評価の高いオザンナ。その2作目(72年)は映画作曲家、バカロフとのサントラで、ブリティッシュ・ハードを思わせる屈折感と、時折顔を覗かせるシンフォニックな美しさが印象的。