ここにあるのは「フェリーニ製作所」を通過し、縦横無尽のイマジネーションで彩られたローマ。青年の瞳に映る現実とも幻想ともつかないパワフルで猥雑な永遠の都。当たり前のようにある古代遺跡に抱かれて、しかし当たり前すぎて気にも留めないローマっ子たち。飲んで、食べて、騒いで、人生を享受する人々。人類最古の商売は今も脈々と続いている。人間の欲はいつの時代も変わらないんだなぁ。でも。フェリーニ流のファンタジックな嘘の中から抽出されるものは案外苦い。“甘い生活”への皮肉もこめつつ描かれる世界。地下鉄工事のシーンなどはフェリーニの志向が端的に表れているといえましょう。ラストシーンも秀逸。夜のローマ遺跡を駆け抜ける顔のみえないオートバイ野郎たち、人の命はあっという間に消えてなくなってしまうけれど、ローマは永遠に残り続ける。
やっぱフェリーニは最高だに♪おすすめ度
★★★★★
”ローマ”というキーワードで、何の関係もないシークエンスが団子刺し
状態でつながっている・・・・いわば映像のDJみたいな映画。したがって
どこから見ても困りません(笑)。DVDで面白さ、再確認してます。
高速道路の暴風雨での撮影敢行シーンは、これが全部セットだというのだから
驚く。断言できないけどリドリー・スコット監督の「ブレードランナー」にも
影響を与えていると思う。
最後の暴走族のシーンでは、照明が許可されない古代遺跡に”特別に”
この映画のためにOKされたとか。
イタリア的女優、アンナマニャーニ。おすすめ度
★★★★★
アンナマニャーニいいですね。ローマを舞台にさまざまなエピソードが織り込まれている映画ですが(「道化師」もそうですね)ローマは夜が長いんですよね。
あの食事のシーンは最高です。楽しそうに食べますね。
暴走族のシーンや、遺跡のシーンなども、この監督のローマに対するイメージが「ローマ」を再構築しているのであり旅行のガイドとはなりえず、素晴らしい映画になっているのです。
こういうところが、イタリア国民から愛される所以でしょう。この映画と「道化師」は以外と観ないですが、見て欲しい、小編です。2作品ともお勧めです
フェリーニの頂点おすすめ度
★★★★★
これはなんという作品であろう。
ちゃんとした筋立てもないどころか、フィクションと現実の境界さえなく、様々なエピソードが脈絡なく綴られていくだけだ。
もし、才能のない人間がやったらこんなものとても見ていられるものにならなかったろう。
しかし、ここにあるのは、名声も才能もその頂点にあった天才がその思いを自在に、ただしローマという主題だけはしっかりと守って、語った作品である。
そこには、フェリーニという偉大な芸術家の魂の中にあるローマが見事に表現されており、彼の心の中にあるローマを見るものに体験させるのである。
個人的な思いをこれほど魅力的な映像にした作品は他にない。
まさに芸術としての映画を極めた作品になっているのであり、この時期のフェリーニだからこそ可能だったことであり、そして、あの時代だからこそ作れた映画だと思う。
概要
イタリア映画界が生んだ世界的巨匠フェデリコ・フェリーニ監督が、その魂の故郷ともいえるローマの街そのものを題材に、ドキュメンタリーともドラマともいえない摩訶不思議な映像空間を紡ぎ出していく大作。
北イタリアの港町リミニに生まれ、永遠の都ローマへの憧れを胸に秘めてきたフェリーニ青年は、1938年にローマへ赴き、その狂乱の世界を目の当たりにしていく。やがて画面は現代(1970年代初頭)のローマへ翔び、現在のフェリーニが現れて、彼の映画の撮影風景などが映し出されていく。これらにストーリー性はほとんどなく、ひたすらフェリーニ自身のローマに対する心象風景がエネルギッシュかつ幻惑的映像美で描かれるのである。その自由でパワフルな表現には、ただただ驚かされるのみ。(的田也寸志)