心と闇そして・・・都市おすすめ度
★★★★★
二章のタイトル幻視する<都市>。この本を構成している七つの章の中の一つだが、この言葉がこの本の内容つまり百鬼夜行とは何かをよく表している。差別、人間の心などの平安の闇など多角的な視線を用いて百鬼夜行は都市でしか見えないという結論を導きだした。信憑性を持った結論には多くの人が納得されたのではないか。
また、この本が妖怪ブームに乗じて売れる説話の翻訳と一線を画すものになっているのは、説話文学が専門の著者が自身の分野で培ってきたもので一つの土台をつくり、この土台が腰の強いしっかりしたものであるからこそ可能なのだが、定説に疑問を投げかける形で百鬼夜行を解き明かしている。積み重ねたものが新しい論を生み努力というとありきたりだが、ストイックで生産的なこの本を生みだした平安の闇に思いをはせ、また闇を生み出した人間の心は生産的なのか・・・なんて蛍光灯とパソコンの光を浴びながら考えmashita.
心と闇そして・・・都市おすすめ度
★★★★★
二章のタイトル幻視する<都市>。この本を構成している七つの章の中の一つだが、この言葉がこの本の内容つまり百鬼夜行とは何かをよく表している。差別、人間の心などの平安の闇など多角的な視線を用いて百鬼夜行は都市でしか見えないという結論を導きだした。信憑性を持った結論には多くの人が納得されたのではないか。
また、この本が妖怪ブームに乗じて売れる説話の翻訳と一線を画すものになっているのは、説話文学が専門の著者が自身の分野で培ってきたもので一つの土台をつくり、この土台が腰の強いしっかりしたものであるからこそ可能なのだが、定説に疑問を投げかける形で百鬼夜行を解き明かしている。積み重ねたものが新しい論を生み努力というとありきたりだが、ストイックで生産的なこの本を生みだした平安の闇に思いをはせ、また闇を生み出した人間の心は生産的なのか・・・なんて蛍光灯とパソコンの光を浴びながら考えました。
概要
「鬼」とは、「百鬼夜行」とは、そもそもいったい何だったのか。古代末から中世にかけて、王都・平安京に頻発した「百鬼夜行」という怪異現象を手がかりに、都市と王権が宿命として抱え込まざるをえなかった闇の領域を凝視し、目に見えない「心の鬼」が、可視的に形像化されていくプロセスに大胆に迫る。著者の視線の行き着く先は、民俗学的研究、国文学的研究を遙かに超え、都市のメカニズムや現象を生み出した人々の心性にまで及び、従来の「定説」の枠組みそのものまでを無化する画期的な論考。図版多数収録。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田中 貴子
1960年京都府生まれ。奈良女子大学文学部卒業。広島大学大学院博士課程修了。博士(日本文学)。現在京都精華大学人文学部助教授。専攻:中世国文学、中世宗教文化